大学入試問題大学別目次(表)
ジャンルは書けませんがもっと短くまとめたかったので。
続きを読む2018年東北大学理系数学大問5
さすがに東北大志望の方はもう解き終わったかと思いますが...本試験までに走り切ります。
2018年東北大学理系数学大問5 を複素数とする。複素数の方程式 …① について、以下の問いに答えよ。ただし、は虚数単位である。 (1)方程式①が実数解をもつようにが動く時、点が複素数平面上に描く図形を図示せよ。 (2)方程式①が絶対値の複素数を解にもつようにが動くとする。 原点を中心にを回転させた点を表す複素数をとするとき、点が複素数平面上に描く図形を図示せよ。
(考察)
(1)複素数平面の基本的アイデアは2018年北大理系数学大問2をご参照ください。
実数解じゃん!判別式でしょ~~と思った方はお気を付けください。判別式は実数係数の方程式の時のみ有効です。
さて今回は、気付けば簡単だけど、なかなか気付きづらい問題になっています。
まず、が何かしらの図形の式の形を取って出てきてくれれば非常に助かります。(円)とか(垂直二等分線)とか。
で、試行錯誤してもたぶん良い形にならないんじゃないかな...?そこで、最終手段であるを登場させましょう。これですべて実数の話に持ち込んで図形の方程式を得られれば万事解決です。まぁこの代入はギリギリまで取っておくとして...
次に、①が実数解をもつという条件をどう使おうか悩むわけです。
受験数学の大原則「解は代入」をここで使っちゃいましょう。何か実数解をとでも置いて代入してみると...これ、の形にできそうですよね...?文字定数分離的なノリで。。。
(解答)
(1)
①の実数解をとおく。①に代入すると
…②
ここで、②にを代入するととなり不合理。
よってとなり、②を両辺で割って整理すると
ここで実数とすると
はすべて実数であるから、実部と虚部を比較して
すなわちが得られる。図示すると以下の通り
(考察2)
(2)(1)に続いてきっとまたうまく整理できないパターンだろうと予測してあげられるとよいですね。グッチャグチャにして最後整理するときれいになる感じの問題だとよいなぁ、、という希望をもって、と置いてみましょう。は先ほどのと同様ですね
(解答続き)
(2)
とおく。このときでより
ここで、は原点を中心にを回転させた点を表す複素数だから
よって、とおくと
このとき
だからが得られる。
ここで
だからがを動くとき、
よって図示すると以下の通り。
(別解)
であるが、
よって、が得られる。
以下本解と同様。
というわけで複素数平面、式と曲線の2分野にわたる問題でした。
計算ミスしやすいので気をつけましょう~~
(虚数単位の位置が前に来たり後ろに来たり統一されてなくてごめんなさい)
2018年東北大学理系数学大問4
お久しぶりです。もう2019年の入試が始まってしまいましたね。大変お待たせしました
2018年東北大学理系数学大問4 三角形の内接円の半径を、外接円の半径をとし、とする。また、、、とおく。 (1)となることを示せ。 (2)三角形が直角三角形のときが成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。 (3)一般の三角形に対してが成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。
(1)は計算が煩雑になるので冷静に。本番で捨てた人も結構いると思うので、そこまで合否を分ける問題ではなかったと思います。一応有名な定理ではあるので知っていればパパッとこなせるかもしれませんが、分からなければ本番は粘着しないほうが良いかと思います。それよりかは、どうせ(1)の式を使って(2)(3)を解くのでしょうから、先にそっちを解いちゃうのも手かもしれません。
(考察1)
内接円の半径、外接円の半径を使う定理を考えて組み合わせることを考えてみましょう。前者は三角形の面積公式2種類、後者は正弦定理を十分でしょう。これを組み合わせるとの3文字の関係式が出来上がり、上手くいきそうです。
さらにポイントとなるのはここから1文字消去できるということです。今回は三角形の内角についての話なのでという関係式を利用することでさらに1文字消去でき、計算がしやすくなります。
(解答)
(1)
三角形においての対辺をそれぞれとおく。この三角形の面積をとすると、
よって
…①
また、正弦定理より
だから
これを①に代入すると
よってを示せばよい
(考察2)
とりあえず問題文に書いてある式を強引に作り出して、上のような議論に持ち込んでみます。
考察1で考えたようにの関係式を考えると
が得られます。ここで右辺は二倍角が使えそうなので使ってみるととなります。なんか和積の公式っぽい形ですね...(強引)
残っているに和積を使ってあげるとが出てきて上手くいきそう...
(解答続き)
に注意すると
よって
(考察2)
というわけで関係式及び和積を使いまくる計算問題でした。割と良い計算練習だと思います。本番で出たら萎えるけど。
(2)とりあえず適当にとでもしましょう。このときです。これこのまま代入できたら良いなぁ...と思いつつ。
ただ、微分をしてしまうとこれ形がかなり厄介になるので避けたい...というわけでまた和積の登場です
(解答続き)
(2)
としてよい。このとき
等号成立はすなわちのとき
(考察3)
(3)ここまでくればもうお分かりかと思いますが、やっぱり関係式+和積で解決しそうです。
ただ、今回得られている関係式は和です。差についての関係式は持っていないのでそこをどうにか解決させたいところです。
今回はが登場しますが、これを思い切ってとしてしまうと、すんなり話が進みます
(解答続き)
(3)
より。ただしである
等号成立はかつ
の範囲から、とは
よりだから、とは
これらを解くと、
このとき、等号が成立する
というわけで和積が使えないとなかなか厳しい問題でした。僕は和積をあまり使ってこなかったので、初見で解いた際はゴリゴリ微分しまくって「クソ問題じゃねぇか!」ってブチ切れてましたとさ。
お久しぶりです
お久しぶりです。k^nです
最近は趣味やら勉強やらで、ブログを書く時間および受験数学を解く時間が取れなくなりつつあります。
久しぶりにブログを開いているとPVがかなり増えていてびっくりしたのですが、上記の理由であまり更新ができていないのが歯がゆいところです。
そろそろ大学は夏休みに入りますし、ある程度時間ができましたらまた更新していこうと考えています。
受験生時代に僕も個人サイトで過去問の答えを拾ったりしていたので、現役時代のお返しという意味も込めてこのブログを運営していますから、決して逃亡などはしないはずです。お待ちください。
この問題取り上げてほしいなどありましたら、なんなりとコメントでお申し付けくださいませ。お待ちしています。
それではこの辺で。