2018年東北大学理系数学大問4
お久しぶりです。もう2019年の入試が始まってしまいましたね。大変お待たせしました
2018年東北大学理系数学大問4 三角形の内接円の半径を、外接円の半径をとし、とする。また、、、とおく。 (1)となることを示せ。 (2)三角形が直角三角形のときが成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。 (3)一般の三角形に対してが成り立つことを示せ。また、等号が成り立つのはどのような場合か。
(1)は計算が煩雑になるので冷静に。本番で捨てた人も結構いると思うので、そこまで合否を分ける問題ではなかったと思います。一応有名な定理ではあるので知っていればパパッとこなせるかもしれませんが、分からなければ本番は粘着しないほうが良いかと思います。それよりかは、どうせ(1)の式を使って(2)(3)を解くのでしょうから、先にそっちを解いちゃうのも手かもしれません。
(考察1)
内接円の半径、外接円の半径を使う定理を考えて組み合わせることを考えてみましょう。前者は三角形の面積公式2種類、後者は正弦定理を十分でしょう。これを組み合わせるとの3文字の関係式が出来上がり、上手くいきそうです。
さらにポイントとなるのはここから1文字消去できるということです。今回は三角形の内角についての話なのでという関係式を利用することでさらに1文字消去でき、計算がしやすくなります。
(解答)
(1)
三角形においての対辺をそれぞれとおく。この三角形の面積をとすると、
よって
…①
また、正弦定理より
だから
これを①に代入すると
よってを示せばよい
(考察2)
とりあえず問題文に書いてある式を強引に作り出して、上のような議論に持ち込んでみます。
考察1で考えたようにの関係式を考えると
が得られます。ここで右辺は二倍角が使えそうなので使ってみるととなります。なんか和積の公式っぽい形ですね...(強引)
残っているに和積を使ってあげるとが出てきて上手くいきそう...
(解答続き)
に注意すると
よって
(考察2)
というわけで関係式及び和積を使いまくる計算問題でした。割と良い計算練習だと思います。本番で出たら萎えるけど。
(2)とりあえず適当にとでもしましょう。このときです。これこのまま代入できたら良いなぁ...と思いつつ。
ただ、微分をしてしまうとこれ形がかなり厄介になるので避けたい...というわけでまた和積の登場です
(解答続き)
(2)
としてよい。このとき
等号成立はすなわちのとき
(考察3)
(3)ここまでくればもうお分かりかと思いますが、やっぱり関係式+和積で解決しそうです。
ただ、今回得られている関係式は和です。差についての関係式は持っていないのでそこをどうにか解決させたいところです。
今回はが登場しますが、これを思い切ってとしてしまうと、すんなり話が進みます
(解答続き)
(3)
より。ただしである
等号成立はかつ
の範囲から、とは
よりだから、とは
これらを解くと、
このとき、等号が成立する
というわけで和積が使えないとなかなか厳しい問題でした。僕は和積をあまり使ってこなかったので、初見で解いた際はゴリゴリ微分しまくって「クソ問題じゃねぇか!」ってブチ切れてましたとさ。