2016年東京大学理系数学大問5

整数問題なんだけど整数問題じゃない問題...

2016年東京大学理系数学大問5
kを正の整数とし、10進法で表された小数点以下k桁の実数
0.a_1a_2\cdots{a_k}=\frac{a_1}{10}+\frac{a_2}{10^2}+\cdots\frac{a_k}{10^k}1つとる。ここで、a_1,a_2,\cdots,a_k0から9までの整数で、a_k\neq0とする。

問題文がやや長めなので設問ごとに書きます(設問ごとに記事を書いてるからっていうのが本当の理由ですが...)

(1)次の不等式を満たす正の整数nをすべて求めよ。
0.a_1a_2\cdots{a_k}\leqq\sqrt{n}-10^k<0.a_1a_2\cdots{a_k}+10^{-k}

(考察)
\sqrt{n}が明らかに厄介だから二乗したい...って思いますよね。10^kを全ての項に足してあげると運良くどの項も正なので2乗できることがわかりますね。あと、0.a_1a_2\cdots{a_k}も何度も書いてたら大変だからxとでも置いちゃいましょう。酷い答えになりそうなのは見え見えなんですが頑張りましょう...

(解答)
0.a_1a_2\cdots{a_k}=xとおき、与えられた不等式を変形すると
10^k+x\leqq\sqrt{n}<10^k+x+10^{-k}となる
すべて正だから2乗しても同値なので
(10^k+x)^2\leqq{n}<(10^k+x+10^{-k})^2

まず(10^k+x)^2\leqq{n}について考える
(10^k+x)^2=10^{2k}+2\cdot10^kx+x^2
10^{2k}は明らかに正の整数で、
\begin{eqnarray}
2\cdot10^kx
&=&2\cdot10^k(0.a_1a_2\cdots{a_k})\\
&=&2(10^{k-1}a_1+10^{k-2}a_2+\cdots+10a_{k-1}+a_k)\end{eqnarray}となりこれも正の整数になる
また、0<{x}<1だから0<{x^2}<1となり
10^{2k}+2\cdot10^kx<10^{2k}+2\cdot10^kx+x^2<10^{2k}+2\cdot10^kx+1
つまり
10^{2k}+2\cdot10^kx<(10^k+x)^2<10^{2k}+2\cdot10^kx+1
(10^k+x)^2\leqq{n}nは正の整数だから
10^{2k}+2\cdot10^kx+1\leqq{n}となる

次にn<(10^k+x+10^{-k})^2について考える
\begin{eqnarray}
(10^k+x+10^{-k})^2&=&
\{10^k+(x+10^{-k})\}^2\\
&=&10^{2k}+2\cdot10^k(x+10^{-k})+(x+10^{-k})^2\\
&=&10^{2k}+2\cdot10^kx+2+(x+10^{-k})^2
\end{eqnarray}
ここで、(x+10^{-k})^2について
0<{x}\leqq0.\underbrace{99\cdots9}_{kコ}であるから
0<{x}+10^{-k}\leqq1となり
0<(x+10^{-k})^2\leqq1
よって
10^{2k}+2\cdot10^kx+2<10^{2k}+2\cdot10^kx+2+(x+10^{-k})^2\leqq10^{2k}+2\cdot10^kx+2+1
つまり
10^{2k}+2\cdot10^kx+2<(10^k+x+10^{-k})^2\leqq10^{2k}+2\cdot10^kx+2+1
n<(10^k+x+10^{-k})^2nは正の整数だから
n\leqq10^{2k}+2\cdot10^kx+2

故に
10^{2k}+2\cdot10^kx+1\leqq{n}\leqq10^{2k}+2\cdot10^kx+2
これにx=0.a_1a_2\cdots{a_k}を代入して
n=10^{2k}+2(10^{k-1}a_1+10^{k-2}a_2+\cdots10a_{k-1}+a_k)+1
n=10^{2k}+2(10^{k-1}a_1+10^{k-2}a_2+\cdots10a_{k-1}+a_k)+2
の2つが解である


というわけで現在はここまでしか解けていませんがかなり頑張って解いたので嬉しさでもう記事を上げてしまいました。
このあとここにプラスして(2)以降を解こうか新しい記事に書くかはまだ未定です。
数Aなのか...?