⊿数学研究bot[3-2]
さてさて、ピタゴラス数についていきましょー!
[3-2]ピタゴラス三角形
— ⊿数学研究bot (@sciences_note) September 4, 2015
a²+b²=c² a,b,cは互いに素な(a,b,c)を原始ピタゴラス数といいます。
a,bが共に奇数の原始ピタゴラス数が存在しないことを証明してください!
いきなり難しくなりましたね。さてどうしようか。
【説明】
少し説明をします。
おそらく普通には示せないのかな、と思います。
整数問題に役立つある方法があります。それは、「合同式」です。
【合同式とは】
合同式とは、余りについて考える式です。例えば、「5を法として17≡12」となります。これはどういうこと?
これは、
17÷5=3あまり2
12÷5=2あまり2
というように、5で割った際のあまりが一致する、ということを表します!または、17-12=5が5で割り切れるよね?という意味でもあります。
また、「17≡12(mod5) 」と書くこともあります。
ここで、合同式の性質をまとめてみます。
【合同式の性質】
以下、nを法とする。
1.a≡bならばa+c≡b+c
2.a≡bならばa-c≡b-c
3.a≡bならばac≡bc
4.a≡bならばa^c≡b^c
△5.a≡bかつcとnが互いに素ならばa÷c≡b÷c
(5は使用頻度少なめ?)
証明は省略します。
さて、 話題を戻します。
奇数を2n±1で示して因数分解したりしても残念ながら回答にはたどり着かないと思います。さて合同式の出番です。
【考察】
「存在しない」ことを証明するにはどうすれば?
そうです、「背理法」ですね!
さきほどの「合同式」と「背理法」を合わせて考えましょう!
前述の通り「合同式」は「あまり」が考え方の根底にあります。そして、「合同式」の便利なところは「n乗が非常に楽」である所にあります。これを使いましょう!
【答案】
a,bが共に奇数であると仮定し、以下4を法とする。
どんな奇数nについても
n≡1,3と表される。
よって、n²≡1,9≡1,1
すなわちn²≡1
故に、a²≡1 b²≡1よりa²+b²≡2となる。
一方、奇数もしくは偶数のcは、
c≡0,1,2,3であるから
c²≡0,1,4,9≡0,1,0,1
よってc²≡0,1となり
a²+b²≡c²とならない。
つまり、a²+b²≠c²となり、仮定誤り。
故に、a,bが共に奇数にはならない。
いやぁ難しいですね。
しかし、合同式が使えるようになると、整数問題が圧倒的に解きやすくなることがあります!ぜひ覚えてみては?
では最後にまた僕がbot主へ送った解答で終わります。(字数の関係上かなり簡略化してます)
@sciences_note 以下4を法とし、a,bが共に奇数と仮定する
— kⁿ(n:自然数) (@k_math_mofu) 2015年9月5日
a≡±1よりa²≡1。同様にb²≡1。
よってa²+b²≡2
一方c≡0,±1,2よりc²≡0,1
よってa²+b²≠c²
故に、仮定誤り。
a,bは共に奇数にならない。
合同式について質問があればいつでもお待ちしています!