自作数学問題bot[47]
なんでこんな時間まで起きてるんだろう。
(47)以下の方程式を解け。 pic.twitter.com/wKFTTBfzG6
— 自作数学問題bot (@mathquestionakt) 2018年3月27日
(考察1)
(i)は形からして、相反方程式を連想できなきゃマズいですね。受験生なら。
(解答)
(i)
とおくと、であり、与えられた方程式は
よって
となり、それぞれ
となるから
(考察2)
相反方程式のポイントは上手い置換が思いつくように適当に括ってみることです。与えられた方程式を変形すると
となるのでと置換してみるととなり、与えられた方程式に出てきたようなものがゴロゴロ出てくるので、こいつを使ってみる。
(解答続き)
とおくと、となり、与えられた方程式は
よって
となり、それぞれ
となるから、
(ii)は思いつけば、って感じですが、こういうタイプの置換もあるってことくらいは頭の片隅にあるとよいかもしれませんね!
2018年東京大学理系数学大問2
いろいろ忙しい
2018年東京大学理系数学大問2 数列を で定める。 (1)とする。を既約分数として表したときの分母と分子を求めよ。 (2)が整数となるをすべて求めよ。
(考察1)
(1)で既約分数になっているのを見落とさないように。互いに素を証明するために、ユークリッドの互除法を利用しましょう。コンビネーションの定義を忘れると全部落とします。
(解答)
(1)
であるから
ここでは2連続整数の積だから、偶数であり
としても、分母、分子共に整数になる。
また、
であるから、との最大公約数はとのそれに等しいから、とは互いに素。
さらに
より、との最大公約数はとのそれ、またとのそれに等しいから、とも互いに素。
よって、とは互いに素であり、
は既約分数となる
よって
(2)
(考察2)
(2)はどこに着目するかで大きく解答の方針が変わります。
に着目すると、をで表したときに分子が奇数であることが分かるので、の偶奇を判断してあげることでが整数になるか分数になるかが分かります
に着目すると、確率漸化式などでよく見る手法が思いつくとよいでしょう。明らかには正なのでが単調減少数列であれば、が整数になりうるをある程度絞り込めます。
(解答)
(に着目)
・のとき
となり、整数。
・のとき
(1)より
であり、これを繰り返し使うと
である。
ここで、は常に奇数だからが整数であるとき、の分子は奇数でなければならない。
つまり、が偶数となってしまうとそれ以降その素因数が分母に残り続け、整数にならない。
実際、
であり、でが整数になることはない。
また、
であるから、でのみ整数となる
以上より求める整数は
(に着目)
を考える。
よって、では単調減少。
となり、は明らかだから、ではは整数にならない。
だから、求める整数は
(2)は気づけば前半の解き方のほうが良いですね、ほとんど計算しなくてよいので。でも入試本番だと後半の解き方にすぐ移行できればロスは少なく済むと思います。計算ミスしないように丁寧に計算しなきゃならないですが。あと、「が全然小さくならないけど、どうせ1より下回るだろう」と信じて途中で諦めないメンタルの強さも必要な解法ですね...
2018年東北大学理系数学大問3
整数です。好き。
2018年東北大学理系数学大問3 整数は等式 …① を満たしているとする。 (1)はともに正となることを示せ。 (2)ならば、は偶数であることを示せ。 (3)①を満たす整数の組をすべてあげよ。
誘導が丁寧ですね
(考察)
(1)直接示していくか、背理法で示していくか。個人的には背理法のほうがやりやすいかなと思いますが、これは人それぞれだと思います。
(2)合同式が思いつくと瞬殺できそう。がの偶奇をテーマにしているのでとかの形が出てきたら都合がよさそうですね。うまく法を考えてあげるとが見つかります。
(3)これまでの小問を活かします。(2)がかなり効きます。整数問題の定石「因数分解」が(2)のおかげで使えるようになります。
(解答)
(1)
背理法で示す
のとき
よりこれは矛盾。である。
のとき
は整数であるからだが、上で示したようにだから矛盾。である。
以上よりはともに正となる。
(2)
以下、法をとする。
は整数だからとはであるからとなり、
である。
であるから、
である。
また、であるから、となり、を自然数として
であるからならば、は偶数である。
(3)
(i)のとき
となるから
(ii)つまりのとき
(2)よりを自然数としてと書ける。
よって
もも2以上の整数だから、どちらも素因数はしか持たない。
よってを自然数として
とおくと
のとき、は奇数となってしまい、が素因数をしか持たないことに反する。
よって、すなわちであり、このときとなる。
これを計算していくとが得られる。
(i)(ii)より
なんだかんだ定石通りの問題です。しっかり理解しましょう
2018年東北大学理系数学大問2
得意(笑)程度の実力の確率です。
2018年東北大学理系数学大問2 を以上、を以上の整数とする。箱の中に、からまでの番号札がそれぞれ1枚ずつ、合計枚入っている。この箱から、枚の札を無作為に取り出して元に戻す、という志向を回繰り返す。ちょうど回目の試行でそれまでに取り出した札に書かれた数の和がはじめて以上となる確率をとする。 (1)とを求めよ。 (2)を求めよ。 (3)が以上の整数のときを求めよ。
文系数学にも類題が出題されています。
(2)で間違えないようにすることがポイントです。そうしたら、あとは(3)まで一気に得点が獲得できます。こちらも大問1に続いて落としたくない易問。
(考察)
(1)続く小問のヒントになる問題。落とせません。
(2)ポイントは数の和が以上になる確率であり、になる確率ではないということです。落とすと雪崩を起こします。
(3)(2)の考え方をそのまま応用してあげればOK。2回目までの和さえ決めてしまえば3枚目に何を引けばよいかが決まるので、2回目までの和で場合分けしてしまえばよいです。
(解答)
(1)
とは、1回目に取り出したカードが以上になる確率。つまり、1回目にが書かれたカードを取り出す確率である。
よって、求める確率は
またとは、回目までに取り出したカードの和が以上になる確率。つまり、回の試行すべてにおいてを取り出す確率である。
よって、求める確率は
(2)
とは、2回目までに取り出したカードの和が以上になる確率。
1回目にを取り出した場合、2回目はの種類のカードのいずれかを取り出せばよい。
つまり、1回目にを取り出したときに、2回目までに取り出したカードの和が以上になる確率は、
は、1回目にを取り出す場合と、を取り出す場合と、、を取り出す場合とがあるから
(3)
とは、3回目までに取り出したカードの和が以上になる確率。
2回目までに取り出したカードの和がである確率をとおくと、
2回目までに取り出したカードの和がであるときに、3回目取り出したカードまでの和が以上になるためには(2)と同様にの種類のカードのいずれかを取り出せばよい。
よって、2回目までに取り出したカードの和がであるとき、3回目までに取り出したカードの和が以上になる確率は
ここでを求める。
カードの取り出し方は回目回目の通りだから
よって
(3)の最後のシグマ変形では、
からまでの和からまでの和の部分
という考え方で変形しました。
他にもこんな変形でもよいです
(別解)
ここで、とおくと、はからまでを動き、となるから
この変形も覚えておくとよいですね。今回のパターンでは因数分解の必要がほとんどなくなりました。
今年は東北大にしては難化したので、大問1と合わせて完答しておきたい問題でした。